ルネッサンスの巨匠の技が光る サンタ マリア プレッソ サン サティロ教会の見どころをご紹介


ミラノでもっと注目されるべきサンタ マリア プレッソ サン サティロ教会

以前は観光客の見学が厳しく、教会内にはいること自体が難しかったサンタ マリア プレッソ サン サティロ教会ですが、現在は、観光客(カトリック信者以外)にとってミラノの他の教会とそうかわらないぐらいにハードルが低くなりました。

サンタ マリア プレッソ サン サティロ教会は、ミラノ大聖堂、ドゥオモから徒歩3分に位置しますが、外見がわりと地味で目立つわけではないし、トリノ通からほんの少し奥まっているため、通りすぎないように注意が少し必要かもしれません。

地下鉄ドゥオモ駅(M1 M3 赤 黄)からすぐだし、観光客には少しハードルが高いトラム(路面電車)もサンタ マリア プレッソ サン サティロ教会のすぐ近くに沢山とまるから足回り最高の位置にあるので、ミラノ観光で必須のドゥオモ教会から徒歩で行けるという点でも、行かない手はないという教会です。

サンタ マリア プレッソ サン サティロ教会の歴史と特徴

なぜこのサンタ マリア プレッソ サン サティロ教会(以下 サン サティロ)が重要なのかというと、レオナルド ダ ヴィンチと同時代に活躍した、ルネッサンスの巨匠であるドナート ブラマンテが大きくかかわっているからです。

ミラノで最も有名と言っても過言ではない、レオナルド ダ ヴィンチの最後の晩餐の壁画のあるサンタ マリア デッレ グラッツェ教会でも登場するのが彼、ドナート ブラマンテ。
ミラノのルネッサンス建築を語るのに欠かせない存在です。

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現在のサン サティロ教会がある場所には、879年以前に、大司教アンスペルトにより、ミラノの守護聖人である聖アンブロージョ(337か339~397)の兄弟である、聖サティロに奉献された小さな教会があったとされています。

9世紀~11世紀に建てられたと思われる教会で現在残っているのは、ロマネスク様式の鐘楼だけ。

上の写真はMAZZINI通りから撮影したものですが、写真右側のレンガ色の塔がその鐘楼で、サンタンブロージョ教会の塔を彷彿させます。

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1242年、精神t的に不安定だった若者(ギャンブルに負けてむしゃくしゃしたからとイタリア人のガイドさんに聞いた気がします)によって刃物で傷つけられた教会の外壁にあった聖母子像から出血するという奇跡がおこりました。

このような規制がおこった教会は、信者さんたちの信仰をより強化なものにさせるというのは、容易に想像できますよね!

 

15世紀後半になって、民衆の信仰が広まり、この聖マリアの奇跡の像に捧げる新しい教会の建設が開始されました。(1476~1477年)
奇跡の聖母を描いた聖画像は、15世紀にジャンガレアッツォ マリア スフォルツァ(1469~1494)とその母であるボーナ ディ サヴォイア(1449~1503)によって教会内に持ち込まれ、作り直されました。

ルネッサンスの巨匠、ドナート ブラマンテのサン サティロ教会建設に関しての公式参加は1482年。

そのおかげで現在でもミラノでレオナルド ダ ヴィンチと並ぶルネッサンスの巨匠の作品を鑑賞することができるわけです。

 

サン サティロ教会でのおすすめ

トリノ通から教会の中に入ると、イタリアでよくみるような教会の雰囲気をすぐに感じることができますが、サン サティロ教会は、ドナート ブラマンテとレオナルド ダ ヴィンチで有名なサンタ マリア デッレ グラッツェ教会よりも規模が小さいからというのもあるかもしれませんが、信者さんたちの教会の雰囲気が強いことに圧倒されるでしょう。

ミラノのいろいろな教会に何度も行っている私ですが、サン サティロ教会は、他の観光客が行く教会に比べてより信者さんの教会という印象を持ってるのは、いつもお祈りをしている方がいらっしゃるからです。

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サン サティロ教会に入ってまず目にするのは当然、奥の祭壇。

通常教会は平面図でみると十字形をしていて、十字がクロスする部分が教会の心臓でそこで司教様がお話をされたりするわけですが、サン サティロ教会も教会正面から入って祭壇のほうをみればその様式になっています。

祭壇の後ろが半円形になっていて空間があるのが見えますね!

ところがです‼

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中央祭壇にほうに進んでいくと、奥に空間がない💦
人が通ることもできないぐらい、壁と密着している状態です。

正直言って、すごく気持ちが悪い感覚を私は覚えました。

だって教会入り口から見た時には、もっと人が普通に通れるぐらいの空間があるようにみえたんだから‼

「うそでしょ」」

なぜこんな現象がおきているかというと、ルネッサンスの巨匠、ドナート ブラマンテが、本来なら平面図的にきちんと十字形にしたかったのに、諸事情で祭壇後ろの場所が十字形にできるだけの土地が確保できなかったからなんです。

ルネッサンスの巨匠は、その問題を解決するため。祭壇の後ろ部分に遠近法をつかった絵を描くことで、奥行き感をぐ~~~~んと稼ぐことに成功しました。

所謂だまし絵。実際に空間をつくれたわけではありませんが、目の錯覚ってすごい。

それをもっと確かめるには、教会のそとに出て、ファルコーネ通りを歩いてみてくださいね。

 

その他のおすすめ

サン サティロ教会はこのだまし絵で有名ではありますが、教会の歴史もすごいものがあるので、教会内でだまし絵以外で見忘れてほしくないのがこちら,

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サン サティロ教会の正面から教会内に入って右側に進んだ奥に小さな部屋(洗礼堂)があるので、その中に入って上を見上げると写真のような光景が目に入ります。

ここに入るのは無料ですが、もっとよく見たい場合は、他でもよくありますが、コインを入れると明かりが点灯してさらによく観察することが可能です。
天気が良ければ天井から差し込む光で十分見られるのため、特に教会建築やキリスト教関係のものを詳しく見たいという方以外は、お金を払って明かりを点灯させなくてもいいと、私個人的には思います。

この教会自体は無料で入場できるので、入場料を払うかわりにここでコインを入れて明かりをつけて細部を見るのはありでしょ?

他に募金箱も複数ありますけど、ね。

もう一つは、サン サティロ教会の正面からはいって左側に進んで、本来の教会なら平面図で十字形(土地が確保できなかったため、この教会はほぼT字型)になっている左部の小部屋です。

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アンスペルトの礼拝堂(またはピエタ礼拝堂)。
目を引くのは彩色されたテラコッタのピエタ(イエスの遺体を抱いて悲しむマリア像)です。

このピエタは1482~1483年制作のアゴスティーノ デ フォンドゥリスの作品。(前述の洗礼堂の壁の彫像も彼の作品)

このピエタ礼拝堂内にはカール大帝時代のフレスコも残っています。


歴史を実感できる礼拝堂なので、見逃さないように!

 

まとめ

ミラノでルネッサンスを語るには欠かせないレオナルド ダ ヴィンチと並ぶ巨匠、ドナート ブラマンテ。

このサンタ マリア プレッソ サンサティロ教会は、ミラノに来たらマストで見学しなくてはいけないドゥオモ(大聖堂)から徒歩数分のところに位置しているし、お店もたくさんある通りなので、ショッピングの合間にでも見学できてしまう好立地❣

日本のガイドブックではわりとさらっと紹介されてしまっているようですが、サン サティロを訪れない手はない‼ ということが、わかっていただけたのではないでしょうか?

サン サティロの入り口のあるトリノ通はお店がたくさん並んでいてショッピングも楽しい場所ですが、お買い物を始める前にぜひサン サティロの見学を強くおすすめします。

 

サンタ マリア プレッソ サン サティロ教会詳細

名称:Chiesa di Sanata Maria presso San Satiro
住所:Via Torino, 20123 Milano MI
電話:02874683
WEB:http://www.chiesadimilano.it/
営業:10時30分~16時30分(火~金曜日)※ツーリング クラブ イタリアーノのボランティアがいる時間です

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