キャラヴァッレ修道院
地下鉄M1(黄)線ドゥオモ駅からサン ドナート方面に約6分のブレンタ駅から77番のバスに乗り換えて約10分、停留所 Abbazia di Chiaravelleで下車すると、キャラヴァッレ修道院です。
こう書くと簡単に交通公共機関で行ける感じですが、バスの停留所の名前が今は一応ついてはいますが、バスの車内アナウンスが聞こえないこともあったり、ずれていたりすることもあるし、誰も乗ったり降りたりする人がいないと通過してしまうので、停留所前でバスのボタンをチーンと押して、次に降りることを知らせないといけません。
修道院の周りには帰りのチケットを売っているところを見つけるのが至難の業なので、往復分を購入しておいてくださいね!
(バスの車内ではチケット購入はできません)
ミラノ市内からタクシーで行くのは簡単ですが、帰りは近くにタクシー乗り場はありません。電話でタクシーを呼ぶことになりますが、呼ばれた時点からタクシーのメーターがスタートするので、タクシーに乗ったときに、すでに結構な金額になっているかもしれません。
キャラヴァッレ修道院の歴史と特徴
キャラヴァッレ修道院は、1135年に聖ベルナルドによって創設されましたが。キャラヴァッレ修道院の名前は、聖ベルナルドがシトー会の修道院長に任命された、Clairvaux(クレルボー)に由来しています。
(創設者の聖ベルナルドはフランスのフォンテーヌの裕福な家庭に1090年(おそらく)に誕生し、1112年、22才の時にほかの31人とともに、シトー派が誕生した、フランスのブルゴーニュ地方、Cîteaux(シトー)のベネディクト会に入り、1115年、ベネディクト会から派生したシトー会のClairvaux(フランス語クレルボー)の修道院長に任命され、1153年に亡くなるまで、ヨーロッパにたくさんの修道院を作りました。)
シトー会は修道院を創設した場所を開墾をして、作物や衣料などを作ったので、地域貢献もしていたことでしょう。
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建物の外部は、ロンバルディアの伝統に従ったレンガ造りで、遠くからでもひときわ目立つ、双窓や開廊がある八角形の筒を重ねた形の鐘楼(1329‐40)がそびえています。
この鐘楼はミラノ方言でCiribiciaccola(チリビチャッコラ)と呼ばれていて、諸説ありますが、修道士たちか、細心の注意を払われて作られた鐘楼、もしくは、鐘楼に巣を作っていた若いコウノトリ(cicogna)が鐘楼をくちばしでつつくことを意味しているのではと言われていますが、私はコウノトリ説を支持したいですね!
高さは約53メートル。
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現在の建物は、1150年から1160年のごろに着工されましたが、シトー派の建築規定に従い、三身廊、翼廊、そして直線的な後陣があるラテン十字型で、複数の小礼拝堂が脇にあります。
正面からの写真からでも、三身廊なのがわかるし、右側になんとなく回廊がある様子は見えますが、この回廊式中庭は1800年代から1900年代にかけて行われた修復工事の際に大部分が再建されて、修道院組織の全機能(食堂、台所、集会所、寝室)が配置されているんです。
修道院のファサード向かって右側の回廊式中庭の様子はこんな感じです。
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教会からこの中庭にでてすぐのところに、コウノトリがいました💛
この回廊の他にもう一つ回廊があったそうですが、残念ながら15世紀にブラマンテ様式で建設された大きな回廊式中庭は、鉄道を通すために1862年に取り壊されてしまって、今は何も残っていないので見ることができません。
現在見ることのできる回廊式中庭にそった部屋の壁に、ドナート ブラマンテのミラノのスフォルツェスコ城の当時のスケッチが残っているのですが、その部屋には入ることができず、外からも、今回は見ることができませんでした。
建築家であり画家である、ドナート ブラマンテは、レオナルド ダ ヴィンチの最後の晩餐の壁画のある、サンタ マリア デッレ グラッツェ教会で有名ですね!
ブラマンテはここだけで終わらないんですよ~(笑)
キャラヴァッレ修道院でのおすすめ
教会の内部も、見どころ満載!とまでは、キリスト教に詳しくない方(私も含めて)にはいかないかもしれませんが、ミラノの中心地にある教会とは雰囲気がまるで違います。
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ミラノの大聖堂のようなステンドグラスはなく、シンプルな感じですが、まず目につくのは柱の太さでしょうか?
一般の人も無料で見学させてもらえますが、ここまでわざわざ来る観光客はそう多くもないので、あくまでも宗教施設なんだということをいやでも体感することができます。
右側を進むと、回廊式中庭に出られる扉がありますが、気づかないと通りすぎてしまうかも(笑)
教会にはいったら、右側の壁に沿ってまっすぐ進んで、少し空間が横に広がる手前に扉があるので、そこから回廊式中庭を見学されてくださいね!
回廊式中庭に出る扉の先に、右側に階段があるのですが、階段の上にある絵は重要です‼
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直訳すると
‘’おやすみなさいの聖母マリア‘’
修道士たちが、一日の仕事を終え、床に就く前にこのマリアさまにおやすみなさいをしたという、ベルナルディーノ ルイーニの作品です。
見学者が階段を登ることはできないので、近くでこの作品を鑑賞することは不可能ですが、修道院の暮らしを想像しながら眺めてみてください。
ルイーニの作品は、ミラノ市内の教会や美術館にもけっこうあるので、至近距離から鑑賞するのは、そちらでできますよ!
そしてこの階段の先にいくつかある小さな礼拝堂のひとつに、何度かすでに名前が出ている、建築家兼画家のドナート ブラマンテの作品のコピーがあるんです。
そう、オリジナルではありません(笑)
写真だとわりと明るく撮れていますが、実際はもっと暗くてよく見えません( ;∀;)
いったいオリジナルはどこにあるんだ?という疑問が当然わきますが、オリジナルは私が選んだ、ミラノで絶対行くべき美術館・博物館5選のうちの一つ、正確には絵画館ですが、
そう、ブレラ絵画館にあるんです‼
ブラマンテの作品は、ラファエロ、ピエロ デッラ フランチェスカという巨匠の作品と同じお部屋に展示されています。ブラマンテも巨匠だし、同郷だから当然といえば当然なんですけどね。
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内部からみるCiribiciaccola(チリビチャッコラ)
教会の平面図でいうと、ちょうどラテン十字の交差している部分に、チリビチャッコラと呼ばれる鐘楼が建っているわけですが、教会のなかからみると
外から眺めたた時のレンガ色はまったく感じられないし、平面図が頭に入っていないと、関連付けも難しいかもしれません。(私だけかな?)
紐がついているのが見えますが、この紐を引っ張って鐘を鳴らすらしいです。
この写真を撮影したときは、晴天ではなく曇り空でしたが、双窓からの明かりのおかげで、天井がよく観察できます。
教会内の写真撮影は、フラッシュ禁止なので、自然光での撮影で、これだけ明るく写ルンです。
まとめ
少しミラノの中心から行きにくい場所にありますが、修道院でお土産も買うこともできるし、近くに老舗のレストランもあるので、修道院の見学時間とうまく組み合わせて利用するのがいいですね!
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キャラヴァッレ修道院詳細
名称:Abbazia di Chiaravalle
住所:Via Sant’Arialdo, 102, 20139 Milano MI
電話:+390257403404
WEB:https://www.monasterochiaravalle.it/
営業:9時00分~12’時30分, 15時~18時30分(月~金曜日), 9時00分~12時30分(土曜日), 11時00分~12時30分(日曜日)