フランチェスコ ではーナ スタジオ 美術館
ミラノの大聖堂、ドゥオモから商店が連なるトリノ通りを寄り道せずに歩いて約10分のところに位置する、フランチェスコ メッシーナ スタジオ美術館。
ミラノは西暦の286年から402年まで、西ローマ帝国の首都だったわけですが、その時代の名残のある地域に位置する、1974年から、彼が亡くなる1995年まで、フランチェスコ メッシーナがアトリエとして使用した、教会として使用されなくなった、元サン シスト教会がまさに目指す美術館です。
教会自体は、ミラノがロンゴバルド王国(568~774年)だった時代のものを土台に、フェデリコ ボッロメオ(アンブロジアーナ絵画館のコレクションは彼のコレクションが土台になっています)によって建てられたもので、長年放置されていたもの。
内部に展示されているフランチェスコ メッシーナの作品は、彼がミラノ市に寄贈したものです。
フランチェスコ メッシーナ スタジオ美術館の歴史と特徴
フランチェスコ メッシーナ(1900~1995年)は、日本ではほとんど知られていない芸術家かもしれませんが、20世紀のイタリアを代表する彫刻家の一人です。
シチリアのリングアグロッサで生まれましたが、ジェノバ(バジリコで作られるジェノバ風ペーストで有名ですね)で育ち、32才でミラノに移り、34才でブレラアカデミーの教壇にたち、そのわずか2年後の1936年には責任者に任命され、1944年までそのポストを維持したという経歴の持ち主。
日本に例えるなら、東京藝術大学の彫刻科で教授になった後、学部長や学長になったような感じでしょうか?
※クリックを押すと画像が拡大します。
1974年から、アトリエとしてこの元サン シスト教会を彼が使用していたわけですが…
これだけ天井が高ければ、大型の彫刻を作製するのにも問題はなかっただろうし、ミラノのスカラ座からだって歩いて20分ぐらいの位置だから、スカラ座で活躍をしていたバレリーナたちが訪れるのにも便利だっただろうなあ~
これだけのスペースがあれば、多少大きな音をたてても、近所から迷惑だとクレームが来ないだろうし(と、今現在はまだ一小市民である私はつい考えてします)
私は彫刻家ではないけれど、これってアトリエとしては理想的なのではないでしょうか?
ファサードに絡みつくのは、私は電線かなにかかと思ったのですが(笑)、そうではなく、植物の枝。
※クリックを押すと画像が拡大します。
建物の内部からみると、なんと、窓を通り越えて、内部にもこんなに侵入していました!!!!!!!!
いったいいつからこんな状態だったのか?
美術館の展示物とはまったく関係のないことかもしれませんが、気づいてしまったので写真におさめました。
古い1600年代の建物と1900年代のアーチストというコントラストが、さらにこの美術館に対する興味を駆り立てます❤
フランチェスコ メッシーナ スタジオ美術館でのおすすめ
地上階と地下の二つのフロアーに展示がされていますが、まず、入り口を入って地上階で目につくものは、色のついた複数の女性像。
※クリックを押すと画像が拡大します。
左から
カルラ フラッチ、ナンシー、ルチアーナ サヴィニャーノ
左右の二人はバレリーナで、特に左のカルラ フラッチは私でも知っているぐらい有名な人物です。
共和国記念日の時に、イタリアの国旗をイメージしてこういう展示にしたそうですが、いつまでこの配置にしているかは不明。
そしてこちらの女性像。
※クリックを押すと画像が拡大します。
3像とも、同じ女性です。
フランチェスコ メッシーナ夫人の、3つの異なった年齢の像。
夫人の年齢の変化と、夫である作家の作品の変化を比較するのにいいかもしれません。
でも3人とも同じ人物と聞かなければ、特に一番左の女性は、それ以外の二つの像と同一人物とはわからなかったかも(笑)
写真の後ろに写っている階段を降りると、また別の作品の見学をすることができます。
地下はバレリーナと馬がいっぱい
地階といっても、中央が吹き抜けになっているので、圧迫感がなく、明るいイメージ。
※クリックを押すと画像が拡大します。
左右にたくさんのいろいろなポーズのバレリーナ像、奥には様々な動きをした馬の像が。
こんなにも人間はいろいろな体の動きができるのかと、体の硬い私は感心するばかり。
さすがプロのバレリーナです!
馬は人間のように止まってポーズをとってはくれないと思うけど、写真やビデオで研究したのかしら?
イタリアの放送局、RAI(日本のNHKみたいなところ)のシンボルの「瀕死の馬」という作品が、実は彼の作品なんですが、その習作が!
※クリックを押すと画像が拡大します。
私もこれは、本物を見たことはありませんが、RAIの一日の放送の最後かなにかで見たことがあるので、見覚えがありましたが、お恥ずかしながら、作者がだれだか気にしたこともなかったので、ここに来るまで作者がフランチェスコ メッシーナだとは知りませんでした。
それを知ったことだけでも、ここに来た甲斐がありました!
ローマのRAIの本社にある実物をみる機会も、そのうちにあるかな?
まとめ
1900年のイタリア彫刻界を代表する作家である、フランチェスコ メッシーナの作品を堪能するには、最高の場所だし、ミラノの歴史に触れることのできる場所に位置しているので、散策を兼ねて美術館をさっと訪れるだけでも価値があると思います。
係員の方もとても親切で、質問をすればきちんと答えてもらえますよ。
フランチェスコ メッシーナ スタジオ美術館詳細
名称:Museo Studio Francesco Messina
住所:Via S. Sisto, 6, 20123 Milano MI, イタリア
電話:+390288463614
WEB:www.comune.milano.it
営業:11時00分~18時00分(木~金曜日)9時00分~17時00分(土~日曜日)入場無料 ※2023年3月現在、修復のため休館中