イタリア ミラノのノヴェチェント(1900年代)美術館をご紹介


ノヴェチェント(1900年代)美術館

地下鉄M1(赤)M3(黄)線、ドゥオモ駅で降りると、ミラノのシンボル、大聖堂(ドゥオモ)がすぐ目につきますが、その向かって右側の白大理石で覆われた建物、アレンガリオがノヴェチェント美術館です。

ノヴェチェントは数字の900ですが、これは1900年代を表しています。

その名のとおり、ノヴェチェント美術館は1900年代の作品、未来派からアルテ ポーヴェラまでの展示が中心です。

内部が数階に分かれていて広いので、見学所要時間はさーっとみるだけでも1時間ぐらいかかる予定でいてください。

 

ノヴェチェント美術館の歴史と特徴

そして現在美術館になっているこのアレンガリオという建物は、もともとファシズム時代、1939~42年にかけて、グリッフィーニ、マジストレッティ、ムツィオとポルタルッピ(ボスキ ディ ステファノ博物館の設計者)という建築家達によって建てられました。

アレンガリオ

アレンガリオ

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実はこの建物、アレンガリオは、ヴィットリオ・エマヌエーレ二世アーケードを背中にして、ドゥオモ広場を挟んだ反対側に建てられている双子なんです。
双子のうちの一人、ドォウモ博物館側が2010年12月6日からノヴェチェント美術館として使用されています。
改装を担当したのは、イタロ ロータ。

1900年代の建物のなかにあるノヴェチェント(1900年代)美術館。

建物自体も一種の美術品と考えていいですよね⁈

建物下部の長方に刻まれた浮彫のレリーフはアルトゥーロ・マルティーニの作品です。

 

ノヴェチェント美術館でのおすすめ

地上階のチケット売り場とクロークから、美術館の入り口にいくには、エレベーターもありますが、螺旋階段、ではなく、螺旋スロープをあがっていくのがおすすめ !

登りながら下をみると、

デ キリコ

ジョルジョ デ キリコ I Bagni Misteriosi (1973)

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この作品はもともとミラノのトリエンナーレにあったものですが、現在、オリジナルがノヴェチェント美術館に、トリエンナーレにはコピーが置かれています。

大きな魚の側で泳ぐ人がブルーの床の色の効果で、まるで海にいるようです。

スロープをのぼりながら進行方向にばかり意識を向けていると、開放感あふれるガラス越しに見えるドゥオモ広場やドゥオモに目がいってしまうので、もしかしたらこの作品に気づかない人も多いかもしれません。

(一時期、ミラノの地下鉄DUOMO駅から地下の通路を通って、直接ノヴェチェント美術館に入場することができたのですが、その時はもちろん、この作品をもっと近くから見学できたのですが、この文章をかいている現時点(2020年9月)では、残念ながら閉鎖されています。)

そして、美術館の入り口に到着前に、絶対にみなければいけない作品が左側に見えてきます。

Il Quarto Stato (第四階級)(1898-1902)

ジュゼッペ ペリッツァ ダ ヴォルペード Il Quarto Stato (第四階級)(1898-1902)

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この作品はノヴェチェント美術館のアイコンといってもいい作品で、労働者階級が声をあげ始めた、当時の時代を象徴する作品といっても過言ではありません。

現在でもイタリアの労働組合はしっかりしているし、イタリアの名物(⁈)のストライキとデモ行進の先駆けと言ってもいいかもしれませんね。

5月1日のメーデーは、イタリアでは労働者の日で祝日、ということも日本とは違います。

 

ガラスに外の光が反射してしまって、あまりよく見えないのが残念( ;∀;)

 

そのあと螺旋を少し進むと、美術館の入り口です❣
チケットをチェックしてもらいましょう。

まず左の小部屋に進んでください。

この部屋にある作品をみるだけでも、ノヴェチェント美術館にきた甲斐があると思うぐらいすごい‼

モディリアーニ

モディリアーニ

ピカソ

ピカソ

マティス

マティス

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このほか、ブラックやカンディンスキーなどもあってとにかく凄すぎます‼
どの作品もサイズは大きくありませんが、間近で見学できるので、細部まで堪能することが可能な点もうれしい。

 

この小部屋の見学が終ったら、ノヴェチェント美術館の真の見学開始です。

とにかく作品数が多いので、皆さんのお好みで自由に見学されるのをオススメしますが、ここでは私の好みの作品を紹介させていただきます(笑)

空間における連続性の唯一の形態 (イタリアの20セントコインのデザイン)

ウンベルト ボッチョーニ

 

ウンベルト ボッチョーニ La Signora Virginia(ヴィルジーニア夫人) (1905)

ウンベルト ボッチョーニ

 

ジャコモ バッラ

ジャコモ バッラ

 

※クリックすると画像が拡大します。

 

エスカレーターで上の階に進むと

ジョルジョ モランディ

ジョルジョ モランディ

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ジョルジョ モランディの作品は、ボスキ ディ ステファノ博物館にもありますが、場所と展示の仕方が変わると、作品の印象も少し変わるのが面白いです。

個人的に、モランディの作品は好きで、食の街、ボローニャのMAMBO内にあるモランディ博物館にも行っています(笑)

モディリアーニとモランディの作品を将来家に飾りたい(笑)

さらに先に進んでいくと

ジョルジョ デ キリコ

デ キリコ  放蕩息子(1922)

マリオ シローニ 

マリオ シローニ(1924)

ルチオ フォンターナ (1934)

ルチオ フォンターナ (1934)

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その先に行くと、またエスカレーターがありますが、登る前にこちらもチェック!

マリーノ マリーニ

マリーノ マリーニ

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ブレラ美術アカデミーで教鞭をとったこともあるマリーノ マリーニ(1901~1980年)ですが、実は彼の日本人のお弟子さんの作品が、ヴァチカン博物館にあったりもします!

たくさん並んでいる頭ですが、よくみると、マーク シャガールとかストラヴィンスキーといった、私でも知っている有名人ばかりなんです。

ノヴェチェント美術館の別の場所にあったものが、私の知らない間に、ここに移動していました(笑)

 

もともとはマリーノ マリーニの作品はミラノ市立近代美術館に展示されていたことを思えば、このぐらいの移動は許容範囲ですが(笑)

 

ここからエスカレーターでさらに上に進むと、素晴らしい景色が!

大聖堂

ミラノのドォウモがこんなにきれいに!

※クリックすると画像が拡大します。

ここに登っていくエスカレーターから上に見える天井もルチオ フォンターナの作品だし、このガラス張りの空間の上にあるネオンも同じくルチオ フォンターナの作品。

ここからの眺めは本当に素晴らしく、訪れる人すべてが写真撮影をしているといってもいいくらい。
大聖堂を高い位置から眺めるのに、ここはオススメですね!

そしてここからさらに階段を登っていくと、ルチオ フォンターナの、私が見ても彼の作品とわかるような、彼の特徴的な作品がが展示されています。

このほかにもまだまだ作品がありますが、もうひとつ、個人的に見逃して欲しくない作品があるんです。

ピエロ マンゾーニ

ピエロ マンゾーニ

※クリックすると画像が拡大します。

いったいこれはなんだ?と思うかもしれませんが、天才の考えることは、私のような凡人が思いつかないものなんですよね。

特に有名なのは、写真中央の缶詰。

作品名は

「アーチストの糞」

ピエロ マンゾーニのう〇ちが缶詰にされていて、番号がふってあるんです(笑)

 

彼はあまりに天才すぎたのか、30才になる前に亡くなってしまいましたが、こういうコンセプトを考え付く発想は、やはり天才としか言えないです。私には彼のコンセプトは衝撃的すぎて、感動でした。

 

同じ建物内にあるレストラン

ノヴェチェント美術館の入っている建物には、有名なレストランが入っていて、私も何度か食事をしていますが、けして安い値段ではないのでもう行かないかも( ;∀;)

景色は最高で、以前は味もサービスもとてもよかったのでオススメもしていたんですけど、私が最後に行った時は…………………

残念です。

まとめ

とにかく広いのと、見学進路が少しわかりにくい所があるので、時間に余裕をもっての見学が必要です。

1900年代といっても長いので、美術館の最初のほうと最後のほうでの展示がだいぶ印象が違うので面白いと思います。
イタリアで宗教画の見学にお腹がいっぱいになった時にはおすすめですね!

 

ノヴェチェント美術館詳細

名称:Museo del Novecento
住所:Piazza del Duomo, 8, 20123 Milano MI
電話:+390288444061
WEB:http://www.museodelnovecento.org/
営業:9時30分~19時30分(火、水、金~日曜日)9時30分~22時30分(木曜日)

 

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